多種多様な資格の取得が必須とされるビルメンをしていると、たまに議論に上る話の中に、ビルメンの資格は誰の為に取得し、誰がその資格の取得、免状申請、取得後の講習等の費用を負担するのかと言う話があります。
結論から言うと、私個人としては、当然本人のものであり、本人の人的資本に寄与するものと考えている為、多少の自己負担はやむを得ないと思っていますが、人それぞれ色んな意見がある様です。
会社はもっと資格取得の支援をすべきだ。と言った意見があるのも理解できますが、私の知る範囲での現状とホントはこうなって欲しいと言う、理想の形を考えてみる事にしました。
いまの状況
私の勤務しているビルメン会社は、現在では資格取得は完全に個人頼りであり、受験費用、免状発行費用は、自己負担となっており、受験を勤務扱いで受けたりする事も出来なくなっています。
一部、名義を使用している資格を維持する為に必要な、受講費用は会社負担となっており、その場合は出勤扱いで受講できるのが現状となっています。
消防設備士などは、消防設備点検を自社で行う訳ではありませんが、ビルオーナーと会社の契約上は保有者を置くように指定されている場合もあり、その場合は名義使用の扱いかが明確に線引きされておらず、一部の受講は会社負担となっていたり、会社との交渉がめんどくさいからと、初めから自己負担で受講している場合などがあったりします。
それ以外に、労働基準法で義務となっている様な、安全講習の類は、会社指示で受講する事になるので、当然費用負担も会社で、勤務扱いで受講となります。
この辺の話は、資格取得の話とはまた別の話かもしれません。
まぁ、あまりない状況かもしれませんが、会社からエネルギー管理士などの認定研修(講習取得)に参加する様に指示があった場合などは幸運で、7万円ほどの受講費用も会社負担で、7日の研修と修了試験も勤務扱いとなれば、かなりお得にエネ管資格を取得出来たりしてしまいます。
修了試験の合格率が60%と、確実に取得できる訳ではない様ですが、一定規模以上の施設になってくると、必要となってくる省エネ資格で、その様な状況に置かれていれば、手を挙げてでも名乗り出るべきかと思ってしまいます。
過去の状況
私の勤務しているビルメン会社の、資格に関する主な方針は、上に記載してある通りですが、過去には違った形で取り扱われており、関係資格の取得の為の受験は出勤扱いとすることができていました。
また、以前はビルメン4種の初級資格についても資格手当として金額は少ないながら設定されており、その為、毎年の定期昇給は見込めないながら、資格手当で他の係員との差別化を図ると言った事で、少しでも収入アップを目指すことができました。
それも今となっては、所持していて当然と言った扱いとなっており、初級のビルメン4種の資格手当は廃止されてしまいました。
その為、私自身としては、初級資格についての受験に関しては、勤務扱いで受験しに行っていた様に記憶しています。
まぁ、周りの空気もあまり気にせずに、出勤扱いで順次受験をしていたところ、先輩方から「それって、どうなん?」的なダメ出しを食らう事もありましたが、そこは「会社の規定で認められているので・・・」と、気にせずに続けていたら、その規定と資格手当の見直しなどで、改正され今のカタチになってしまった経緯があったりもします。
それに関しては、私が好き勝手に制度を乱用してるからと言った話で改正になった訳ではなく、時代の流れで資格については個人のモノで、人材が流出した場合は、それまでに会社で負担したコストが流出してしまうから、資格類は個人で取得してね。と言った方針によるものの様でした。
この様に時代の流れで改悪されるなどを考えると、一部の先輩から「さっさと資格は取っておいたらいい。」と言ったアドバイスは、直接的な意味ではないながらも、正にその通りだったと、後になって感謝するところとなりました。
こうして欲しい
これまでは私の勤務しているビルメン会社の資格に対する方針を記載してきましたが、それぞれビルメン会社によっても、資格取得に関する補助や支援の方針は違うかと思います。
中には十分な仕組みと支援が有り、資格も取得しやすいと言った環境の方もいるかもしれませんが、基本的にはビルメン4種の資格などはあくまで個人として取得するもの、と言った扱いが私の周りでは多い環境になっています。
私の所属する会社でも、一時期、電験三種の資格所持者が不足しており、会社としても取得支援をしていた事がありましたが、ビルメンで言うところの上級資格ともなると、試験対策講習を受講するなどで、数万円を支出して1日1科目の講習を4,5日参加する程度の内容で、「会社として支援したので、さぁ頑張ってください!」とか言われても、「いや、それだけで受かる訳ないやんっw」と突っ込みたくなるのは、実際に試験を受けたものにしかわからないところでもあります。
まぁ、現場の人にも協力して貰いつつ、勤務時間を使って勉強させて貰っている状況だとすれば、感謝すべき状況なのは違いないですどねw
そもそも、会社が業務を遂行していく上で、必要な人材に必要な資格を取得させる。と言った意味では、会社負担が妥当と感じますが、ビルメン資格については、例外な感じがするのは不思議な所です。
その分、給与や資格手当として支給した上で、資格を持つ人を採用したり、新たに取得した資格については、手当を適切に支給すると言った形を取っている割には、そこまで資格を持つ人と持たない人との給与や手当の差は無かったりで、資格のみの評価ではないのはもちろんですが、各項目で適切に評価による差は必要じゃないかと感じたりもします。
まぁ、そもそも私の会社においては、毎年何らかの評価基準を元に評価が実施されたりする事もなく、定期昇給についてもほとんど実施されていないと言ったところが現状ではありますが・・・。( -゛-)
一旦、給与面などについて考え始めると、不満が溢れてくる論調になってしまうのが避けられところは、ビルメン業界の現実を表しているところでもあります(笑)
ここで言いたい結論としては、資格重視の評価を求めている訳ではなく、日常の仕事ぶりや人となりに加えて、資格の取得を目指す向上心や、実際に取得している所持資格について、それぞれ適切に評価を行い、それを適切に給与面に反映して欲しい。と言ったところですねw
個人としてできること
個人としては、ビルメンを続けるつもりがあるのだとすれば、自己負担だとしても、粛々と順次取得を目指していくしかないのかと考えます。
自己負担については、自己投資と考え、必要経費と考えるしかないかと思ってはいますが、先日、ボイラー2級の免状を取得する為の、「ボイラー実技講習」が2万円以上する事を改めて知り、「あ、なんか高いな。」と思ったのも確かで、子育て世帯などの場合は、中々大きな負担になりそうだなと思ったのを思い出します。
実際、私としても、続いて取得を目指すべき「エネ管」や「特級ボイラー」試験について、まだまだ勉強すら始めておらず、受かる見込みは全くありませんが、問題に慣れていく事も必要と考えている為、以前であれば取りあえず受験は申し込んで、モチベーションを上げて行こうと行動を始めたいところですが、「エネ管」の17000円と言う受講料の高さや、「特級ボイラー」の受験コスト(受験料8800円+割とかかる交通費)の為に、二の足を踏んでいるのも、確かではあります。
さすがにそれなりに問題をこなして、手応えを感じてから受験申込をしないと、勿体ないかと感じる金額となっています。
また、費用に関する負担感以外にも、資格取得を目指すにあたっては、それなりの勉強時間を費やすことになり、当然その勉強時間も自分の時間を浪費してしまう事になってしまいます。
どちらかと言えば、資格取得に否定的な人は、この部分にネックを感じている事の方が多いのかもしれません。
「家に帰ってまで、なぜ仕事に関する勉強を行わなければならないんだ。」と言う気持ちが多いのかもしれません。
まぁ冷静に考えれば、サービス残業とも言える時間になってしまうのは、一理あるのかもしれません。
もう、言葉にするとすごく損している感がでちゃってますがw
これに関しては、業務に支障が出ない範囲で、就業時間の手持ち時間を使って試験勉強をする他、代案は思い当たりません。
まぁ実際、昔は現場で勤務中にそんな時間は無いと、否定的は反応が多くありましたが、いまは会社としても、従業員の資格の充実は望ましいところだと思いますし、オーナーなどからのクレームにならない範囲であれば、容認されるところではないかと思います。
スマホで暇を潰しているよりは、よっぽどマシなはずですw
いずれにしても、それくらいに貪欲に、決して諦めてしまわずにいつか取得したいと思い続けるのは、シンプルに重要な事ではないかとも思っています。
結論
私個人としては、取得した資格は本人のものであり、本人自身の人的資本に寄与するものと考えている為、多少の自己負担はやむを得ないと思っている部分はあります。
そして、所属している会社に理解があり、取得費用や取得後の定期的な講習費用なども負担してくれるのであれば、大いにその制度を活用していけば良いかと思います。
全く関係のない業種へ転職した場合は、人的資本としての積み重ねは薄くなってしまうかと思いますが、それでも資格取得の為に費やした学習時間やその合格経験は、次の業種を学んでいく過程でも活きてくるかと思います。
この部分については、高校、大学受験で、より上を目指していた方などは、同様に培われた経験があるのかと思います。
まぁ私は、その受験の類は全くトライしてこなかったので、イメージでそう感じるだけと言う話にはなってしまいますが。
また、この資格取得は自分の為になると、自分の中で納得させ、思い込ませていく事で、よりモチベーションを上げていく事も、無意識に行っていることかもしれません。
それを、他人の「そんな資格を取得して何の意味があるん。」と言った言葉に、安易に惑わされていては、非常に勿体ないというものです。