ビルメンを続けていると、自現場、他現場を問わず、離職者が出たり、それに伴う現場異動などにより、責任者や副責任者の枠がふと空くことがあります。
そこで、誰がそこに収まるのかと言う問題が発生し、他の現場も巻き込みちょっとした騒ぎになる事もあります。
最近、身近でその様な状況があり、思う事があったので、少しまとめてみました。
責任とその対価
会社の方針や、現場の状況にもよりますが、3,4人の小規模現場の場合は、5~7年程度、10人前後の大規模現場の場合は、10~15年程度勤務していれば、自現場で責任者や副責任者の枠が空き、次は誰がその枠に収まるかと、そんな状況が出てくることも珍しくないかと思います。
その際に、真面目に勤務年数を重ね、その年数に応じて、コツコツと資格取得を続けていれば、責任者や副責任者をやってみないかとの話が持ち上がる事もあるかと思います。
そう言った場合は、チャンスと考え可能であれば、是非引き受けて欲しいと思います。
普通であれば、それに伴い昇給も行われる事でしょうし、その交渉や打診を行うには絶好のチャンスとも言えます。
また、そう状況になる事も見据えて、普段の勤務をしながら、取れる資格はドンドン取っておいて欲しいと思います。
ビルメンで働く人の中で、割と二分する考え方として、責任などは絶対に引き受けたくない派と、それなりの対価があるなら責任を引き受けるのもやむを得ない派とに分かれるかと思います。
まぁ責任を引き受けない派も、「責任は引き受けないけど、給料は上げてくれ。」と言うスタンスだったりしますが、ビルメン界隈でその要求は割と無謀な要求だったりするのが、実際のところではあります。
それなら、会社への貢献もしながら、それに見合う報酬を求める形である、資格を十分備えた上で、責任者を引き受けて、相応の給料を上げて貰う、と言った形が会社にとっても、本人にとっても良い形なんじゃないかと思います。
責任者と所持資格
ビルメン経験が10年を超えて、かつ、現場を熟知していれば責任者の話も持ち上がるかもしれませんが、会社都合だけではまとまらないのがビルメンの人事で、一般的にはオーナーの承諾が必要な場合が多く、資格が伴わなければ「待った」が掛かる場合も少なくないと言うの実際の状況ではないでしょうか。
会社によっても違うかと思いますが、私個人が思う責任者、または副責任者をする上での、必要資格レベルとしては、
副責任者:「第1種電気工事士」、または、「ビル管」以上を1つ
責任者 :「第1種電気工事士」「ビル管」を2つ、または「電験3種」
あたりが、最低ラインだと考えています。
その他にも、「1級ボイラー技士」や「第2種冷凍機機械責任者」など、評価される資格はあるかと思いますが、実務上に要求される事が多いのが、電気系の資格とビルメンの為の資格と言える、ビル管資格になるのではないかと思っています。
また、それ以外にも普段の業務対応の中で、十分にオーナーからの信頼を得ていれば、現場に在籍している人に声がかかる場合もありますが、その場合にも所持資格をある程度揃えておくに越したことが無いのは、間違いないかと思います。
自薦する場合(自分から手を上げる)
基本的には、責任者や副責任者の枠が空いた場合に、行われるのは誰がやるのかと言う、押し付け合いが多く、「成り上がるチャンスだっ」と思い手を上げてる人を見る事は珍しい様に思います。
個人的には、やる気がある人がやった方がいい、やってみたければやってみればいいと考えていますが、当然、ビルメンの経験が浅く、会社の判断で任せられないとなった場合は、待ったが出る事もあるかと思います。
私自身が副責任者になった状況を思い出してみると、自薦まではしていないが、状況的に自分がやるのが、客観的に見ても妥当だろうな考えていました。
その状況としては、副責任者の枠が空く事になった時点で、
先輩1:電験3種所持者、オーナーの信頼なし
先輩2:所持資格ほぼ無し
私 :「第1種電気工事士」「1級ボイラー技士」等は所持、ビルメン歴は10年位
と言った状況だったと思います。
先輩1さんの「オーナーの信頼なし」部分については、オーナー折衝を行うのが苦手なタイプの方であったのに加え、本人が後々に「責任者に潰された」とおっしゃっていた通り、20年前ともなると、上司からのパワハラっぽい圧力があるなどして、体調を壊されていた事も一つの要因としてあり、そう言う部分については、同情の余地もあったりするのも実際だったりします。
私自身は当時、30代前半の若造で、頼りないと思われていたかと思いますが、それでも資格取得を頑張っており、将来性もあるんじゃないかと評価を頂いていた為、オーナーの了承もある程度、得れていたのではないかと考えています。
加えて、先輩2さんについては、一貫して「責任者はやらない」「資格なんて取らない」と言うスタンスでしたし、結果的に消去法で私にその枠が回ってきた、と言った側面もあります。
責任ある立場で、より成長する
私の場合は、実際に副責任者になった時点では、そこまで業務的な負荷は増えていなかったのは、幸いだったかもしれません。
基本的には、オーナー対応は最終的に責任者が最終判断をしますし、日々の業務はそれまでとも変わらず全体を把握する事には変わりなく、責任者が休む日に毎日の業務日報を作成する程度の負担だった様に思います。
ひとつ問題があったとしたら、当時、会社とのコミュニケーションも十分ではなく、雇用契約などの手続きもいい加減だった事もあり、副責任者はしながらも、数年は給与面に全く反映されていない状況が続いていました。
会社としては、対外的に30代の副責任者は適さず、40,50代の人材を置きたいと言う方針で、早々に副責任者を新規配属する見込みだった為、責任者手当も保留となっていた様です。
また、それを薄々知りながら、そのまま放置していた自分についても、我ながら頭が悪い対応で、早々に声を上げるべきだったと感じる部分だったりします。
それについては、基本的には、会社には期待していない。と言う考えが昔から根底にあり、そのせいもあったかもしれませんが、そう思いつつも、30年も在籍し続けている、自分自身も割と変っているんじゃないかと、思うところでもありますw
まぁ、ここ10年は随分と会社の体制も変り、時代も変わり、そして何より自分も歳を重ねてしまったことにより、良くも悪くも変わってしまったと言えるかもしれませんw
いや、話が変わってるな(^^;)
結論、
責任者を引き受けるのは大変かもしれないけど、その経験は自分のチカラとなりますよ。
って、コトで良かったでしたっけ?w